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トイレの壁

また彼のことを思い出してしまった。
あの頃の事。
20年以上経ってもあの頃の彼のセリフや情景が未だにハッキリと思い出せるなんて…
精神的には未だに20年以上も時が経ったなんて到底思えていない
だからか…?
確実に14歳くらいから精神年齢がズレてきていた感覚がある。
最近ようやくハタチくらいになれた気がする。

日々目にするラブラブなカップル達が心底羨ましい。
いつも心の中で衝撃をくらう。
現実に、
あんなドラマや映画や漫画みたいなのってマジで存在するんだなって。
私は、
まだあんなのは体験できてないから…
ほんとに凄く羨ましい。

トイレにいるとき、
壁の模様などがその時だけ毎回違って
何かの絵に見える事がよくある。
同じって事は一度もなく、
ほんとに毎回全然違う絵が浮かび上がってくる。
どこのトイレでもそう。

さっきは扉の木目模様のなかに、
何故か、
オーロラ姫と王子が
お城のバルコニーで見つめ合いながら並んで立っている後ろ姿が見えた。
右にオーロラ、左に王子。

てか眠れる森の美女まだちゃんと観たことないし、
王子のビジュアルだってまだよく把握してないのに、
自分の勝手なイメージ絵かもだけど。
オーロラの長い金髪が印象的だった。
あの髪だからオーロラだって思っただけで、
別にキャラは重要じゃないかもしれない。

空はネイビーだったから多分夜かな。
凄くロマンチックな、
ほんとに愛し合う2人の象徴って感じだった。

記憶を表す時の絵みたいに
そんな2人の姿の周りをモワモワ~っと雲みたいな
モワモワ縦長の楕円が囲んでいて、
突如私の数十センチ目の前の扉の模様の中に現れた。

色まで鮮明に分かるくらいって…。
それをジーっと凝視しながら
いいな~、羨ましい、理想像だな~
とか思っていた。

だんだんその絵が
スゥーっと奥へ入っていくように小さくなっていく。
あぁ…消えていくの?
やっぱ消えそう…
ってその様子をずっと見ていた。
ほんとにマジで私の目の前でどんどん小さくなり
消えていった。

消えた後はその絵の跡形もなくて、
ただの扉の木目しかなかった。
不思議。

今まで絵が見えるのは良くあったけど、
今回みたいに動きがあったり
色が鮮明なのは初めてだった。
ていうか突然トイレで
何故またこんなラブい絵が現れたのか…?
きっと、
トイレに行く前に
冒頭のような事を考えた後だったから?


最後まで見てくださりどうもありがとうございました。

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